2019インカレロード@美麻〜結局は脚がなかったという単純な結論〜

11位
距離174km(13.4km×13周回)
晴れ時々曇り
目標:優勝



レースレポート


180度ターン終わるまではローリング。
そこから1度止まって正式にスタート。

1周目は逃げの動きが続くが、まとまった人数ではなかなか決まらない。
2周目から日大の仮屋選手が単独逃げ。集団と1分くらい差が開く。
5周目に9名の逃げ集団形成。自分も形成段階で加わっていたが、明らかに自分のいるべきところではなかったので大人しく集団へ帰った。
6周目で中央の今村選手が逃げに合流。この段階で逃げには山本選手と合わせてTTスペシャリストが2名入っていた。
7周目の補給所で日大武山選手がアタック。中央奥村、京産小出選手、自分の4名で逃げ追走。8周目には逃げにジョイント。逃げは合計16名になっておりメンバー的にもこっちがメイン集団。9周目完了時で後ろ集団と1分20秒くらい。
10周目補給所にて先頭集団内でアタック。自分は登りで千切れかけて下りで追いついて新道登りで千切れた。
千切れてからは1周個人TT。その後前の日体の選手と合流、後ろから集団がきてそちらにジョイント。
あとはひたすら休んで最後に思いっきり踏んで11位。




感想


とりあえずレースの感想から書きましょうかね。

今回のアップ表は以下
8:30ミーティング
8:50準備
9:00検車
9:05エンデュランス
9:20ランプ
9:30エンデュランス
9:35VO2max
9:40エンデュランス
9:45準備
9:51移動
10:00スタート


上で目標は優勝だと書いたけど、ここ2週間の練習日誌で散々書いてきた通り、実際には優勝を狙えるコンディションにはなかった。ただ、それは木曜日の時点で確定していて心積もりがあったので、レースではひたすら無駄のない動きを心がけていた。


前日ミーティングで中田コーチから伝えられていたように、今回のレースでは補給食はパワージェル3個とハチミツパン2個をポケットに入れてスタート。ボトルは1本で中身はアミノバリュー(BCAA)。
これまでの2度のインカレではどちらもパワージェル8個、ボトル2本満タンでスタートしていたが、パワージェルは落とすわ余るわ、ボトルも補給を最小限にするために多めにしていたのだが、別に普通に補給とれば問題ないし。ってことで今年はスマートになりました。他大学の選手を見る限り、むしろこちらがスタンダードのようですが笑。
アップ前にグリコのオキシーアップとスーパーヴァームを摂取し、レース直前までの水分補給は全てBCAA。


レースのスタートは去年同様遅れて10:10。個人的にはもはや10:30スタートにすればいい気がするのだけど(それでちょっとでも女子のスタートを遅らせれば?)、やっぱりタイムスケジュール的に厳しいんかな?
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スタート前、向井田と共にスタート地点に並び始めるタイミングをうかがう。


さて、去年4位だったので今年は先頭でスタートしたのだけど、結局ローリング中にクラス1勢に紛れてしまってイマイチ恩恵にあずかれなかった。この時点でなんかバイクコントロールとかそういう技術的な差を感じるよね。
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最初は先頭…


スタートしてからはなるべく集団前方に位置取る。

とりあえず誰もが注目するのは日大の武山選手。彼がソロ参加なら1人注目しておけば済むのだけど、実際には日大は、大いに個人的意見だけど、他に5人は入賞圏内実力者がいて、その動きにも気をつけなければいけない。
また中央は今村選手、奥村選手、山本選手あたりが危険。特に面倒なのが山本選手で、彼は圧倒的独走力がある上、他にエースがいるから思い切った走りができる。
あとは京産の小出選手や鹿屋の石井選手がどう動いてくるのか見極めながら走る感じ。

例年ならば2周目くらいで各有力大学が含まれる逃げができて集団は落ち着くのだけど、今年はなかなか逃げが決まらず、決まってもタイム差が広がらなかった。これはトラックと合わせたインカレ総合も多少は影響していたんだろう。

集団の前の方で展開していたのだけど、武山選手が「毎周回180度ターン手前でペースアップ→先頭付近で下る」ってのを繰り返していて、毎回付き合ってたら絶対保たないなと分かりながらも、無視できないので脚を削れられる。また中央の奥村選手が完全に武山選手マークだったのでどうも難しい。

そんなこんなでやってたらいつのまにか逃げ追走グループに加わってしまっていて、中央の山本選手もおる。これが5周目かな。でもメンツ的にこれは逃げるための集団で勝つための集団ではないなと判断。メイン集団は逃げ容認の雰囲気でゆっくりしていたため、150wくらいで補給食をのんびりとりながら集団に戻る。

6周目の下り基調平坦区間で今村選手が飛んでいくのが見えたが、それでも残り距離とメンツからしてこのコースで逃げ切りは有り得ないなと判断。さすがU23TT全日本チャンピオンははえーなーって思いながら眺めていた。

7周目の補給地点でのアタックの時は、元々少なめに搭載していたボトルが空になったので補給を取ろうとしていた。が、右から嫌〜な雰囲気を漂わせた武山選手と奥村選手が出てきたので、右にいた辰巳を押しのけて右側へ。
すると予想通りのアタックがかかって武山選手、奥村選手、小出選手と共に追走。「いま??」ってのが正直な気持ちだったが、これを逃したら優勝はないので必死で食らいつく。
でもね、本当の話をすると、4人で追走している時に優勝は厳しいなってのは分かっていた。というのも他の3人は平気で30秒400wとかで踏むのだけど、自分はちょいと時間誤魔化し誤魔化し380wそこらで踏んだだけ。そして明らかに自分が一番キツイ。彼らが1位、2位、4位だったのは納得するところ。

逃げ集団も捉えて先頭16人ってなった時は、こっちがメイン集団だなって誰でも分かったと思う。そして16人ってことは少なくともあと2回は勃発するであろうアタック合戦に耐えなければならない…。

なんてことはサルでも分かるんだけど、できるかどうかは別問題。
集団形成時は2分だった後ろ集団との差は1分20秒に縮まり、レース時間も3時間30分に差し掛かる頃。中田コーチが前日仰った「どんなレースも大体ラスト1時間で決まる」ってのにピッタリな状況。
まあ来ますよね、アタック。
そもそも逃げ集団にジョイントした時点で死ぬほどしんどかったが、なんとか誤魔化しながら走って精神だけでアタックに対応。集団最後尾ながらスタート地点を通過し、ギリギリ下りで追いつく射程内で耐えた。
耐えたんだけど、これで終わったね。

下り基調平坦区間では後ろでつきいち。「回復しろ!回復しろ!」と自分に叫び続けるが、一度死んだ脚はそうそう戻るものでもない。新道登りで呆気なく千切れた。

千切れたあとはひたすら限界線ギリギリを攻めるエンデュランス走。数値を見る限りは210wとかそこら。
下りはハンドルバーを握って思いっきり攻めるが、もはや前が見えるはずもなく、かといって後ろを待つ意味もなく。
この時の希望は前集団から溢れた人を回収すること。

スタートフィニッシュ地点を通過した時に残り距離2周。「うわ、今から1人で26km走るんか」ってなるこの気持ちは選手じゃなくても分かっていただけるかと。

しばらく走っていたら日体の選手をキャッチして、しばらく2人で回して新道登りで後ろから集団がやってきた。
自分としてはここには向井田がいるものと思っていたが、そんなことはなく、ひたすらミイラの如く、あるいは金魚のフンの如く集団に付く。
この集団は日大2人が入っていて、2人とも元々考えていた入賞圏内実力者。あとは明治の選手がいて、明治はトラック2位だったこともあり、完全に集団内で目の敵にされている。もちろん日大は前に武山選手がいるので先頭は牽引せず後ろでひたすら休んでいるし、明治も牽引したがらない。神戸の選手が愚直に牽引していたので、この中ではこの選手の後ろが一番楽だなぁと思ってこの選手をマーク。日大2人は多少私のことを知っているのか、終始チラチラ様子見してきたが、私の迫真の演技と京大ブランドが効いたのか、つきいちで文句を言われることはなかった。
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死んだフリ


ラスト周回の180度ターン後のゆるい登りで後ろのグルペットが見えたわけです。するとこれまで休んでくっちゃべってた日大がペースを上げて付ききれない選手も出てきた。この辺りになると私も実質1時間弱休んだあとなので、これくらいならいけるわ〜と思いつつ、今まで死んだような奴がいきなり動くのも不自然だから、ギリギリ集団最後尾に食らいつくかのようなペースで付く。さらにこうすればその後の下りも後ろで休めて一石二鳥。
最後の補給所前の坂では、あーこれ、レースウィニングVO2Maxや、って思った。そしてこの領域で負けてしまっては本当に今まで何してきたのか分からないので、覚悟を決めて斜度が緩むところでアウターへ変速。
一瞬、全員が牽制し合ってシッティングでこなせる瞬間が生まれる。この時点で勝ったなって思った。というのも練習ではダンシングで押し切って最後にダッシュするんだから、練習よりもラクじゃんって。
あとは焦らず急がずいけるところで行っただけ。
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結構ギアかけてる。53×21くらいかな?
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最後にできることなんてこれくらい


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さて、ここからはレース以外の感想を書きます。
何から書こうか迷うところですが…


まずはサポートの皆さん、現地まで応援に駆けつけてくださったOBの方々、ありがとうございました。
私は今回が3度目のインカレですが、毎年京都大学のサポート体制には大いに助けられています。
インカレまでにサポート陣で色々考えて行動してくれてたんだろうなぁと思うことも多々ありましたね。サポートがとてもきめ細かかったですしね。

これは個人的見解なのですが、選手はサポートあってこその選手、サポートは選手あってこそのサポートだと思っています。要するに対等だと思うわけです。
選手は1人でも走れるじゃん、と、まあ私もそんな風に考えていた頃もありましたが、それはかなり弱い段階の話ですね。あえて具体例は出しませんが。
サポートの方は選手がいないとどうしようもないですよね。
何が言いたいかというと、サポートの人たちは胸を張って自分達が選手を走らせたのだと言ってほしいです。少なくとも選手からすればそう言うに十分値するサポートを受けていますので。

また、私がレースで思い通りの結果を出せなかった時に絶対にサポートに謝ったりしないのも個人的見解によるものですね。
ええ、今回もそのパターンであることは言うまでもありません。



次は、実は今回のインカレ、スタート地点に立つまでにあり得ない程のご支援をいただいていたというお話。


ご存知の方もいるかと思うが、8/7の練習で落車した際に前に乗っていた自転車フレームが割れた。この自転車は兄から譲ってもらったもので、去年のインカレ4位をはじめ様々なレースを共にしてきた。そのためこのショックは決して小さくなかったわけだが、その後実に様々な人に助けていただいた。

まず翌日の練習をこなせるように辰巳に自転車を貸してもらった。ちなみにこの自転車は結局インカレ時の代車となっていたため、辰巳の代車をとったことになる。
落車後、中田コーチはSNSなどを通じて支援を呼びかけて下さり、最終的には京丹後にある吉岡クリニックの吉岡先生から自転車をお借りした。この吉岡先生は1大学生の私に超高級車2台(各150万くらいになるかな?)とfoil40(おそらく2013年モデル、Di2付き)の合計3台を貸してくださった。
なお、この後吉岡先生にはツール・ド・北海道のご支援も頂き、実はfoilは頂いている。
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辰巳から借りた自転車に自分のクランクを取り付けたため、同じ165mmクランクを使用している山田ちゃんからクランクは借りた。
ホイール後輪は新谷から借りたものだし、前輪は部のもの。
左側の9100Stagesパワーメーターは中田コーチからお借りしているもの。
ということで、今回乗った自転車で自分がお金をかけた部品ってプーリーくらいかな。

そんなこんなで、機材的には私は奇跡のような状況だったというお話。まあ、もともと2回生のインカレ完走後には部活をやめようと考えていたのにここまでやってこられた話もあるんだけど、それはまた別の機会に。


さてあまり長くなるのもまさなかりなん、ということで、あと2つだけ。
1つはエースで走るということについて。
私が前エースの岡本さんを抜かし始めたのが2回生の夏くらい。それでもその頃は練習で拮抗していて、インカレは岡本さんが15位で私は28位。
それでも翌週の山形村で私が昇格してからは実質的に私がエースだった。
特に去年のインカレで4位になって、上のひとたちが引退してからは自分がまさにエースで、これが時には大変でもあり…。
と言うのも、みんな期待してくれるわけなんだな。ありがたいことに。まあアイツはある程度以上の成績は残せるやろうと。
これは調子が良くて自分も自信がある時ならまだ良いのだけど、例えば今年のTTTの時やこのインカレロードの前なんかはしんどいよ。かと言って自分が「調子悪いー」とか「走れそうにない」なんて言い始めたら、マネージャーをはじめとするサポート陣の士気にも影響するし、他の選手にも影響する。ので、基本的に吐け口はないんよね。私がコーチングでありがたかったのは、中田コーチにはこう言う話が出来たこと。実際、練習のパワーデータを見れば調子の良し悪しは分かるわけだし、いい具合に外部の方なので。
いつでも好調なわけではないので時にはしんどいこともあるが、それでもみんなに頼られて走るのは楽しかったし、是非とも後輩諸君にも頑張ってほしい。エースは別に1人である必要はないので。



そんなこんなでね、思うような成績を残せなかった今回のインカレだけど、最後に4回生全員で集まれたのは良かった。
この代は各々個性が強くて、勝手な方向を向いている5人だけど、不思議なことになんか相性が良い。部員としてもそれぞれ役割分担していて、互いに過度に干渉することもなく、けれども時には助け合って補い合って。
自分は他の4人の良いところも悪いところもすごいと尊敬できるところも言える。欠点だらけの自分が曲がりなりにもこれまで部活に打ち込めたのは、間違いなく同期のおかげだと思う。ありがとうございました。また呑みましょ。
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