レース考

レース出場前にも中田コーチからアドバイスを頂いていました。これからレースに出場していく人は読んでみて下さい。



・2019/4/7全チャレ前


「レースは自身の力を測る場所でもありますから、全力で走らないと意味がありません。

ヨーロッパのプロならトレーニングを兼ねて集団で流すこともありますが、レースが少ない日本では全てのレースで全力を尽くすべきで、それをしないなら自宅に居てハードトレーニングをした方が良いです。

1.WUをしっかり行うこと。
2. レースを冷静にみること
3. 勝負は一発で決めること

以上はどのレースでも共通します。特に春先は気温も低いしレースに体がなれていないのでWUはしっかり行ったほうが良いです。
レースでは行く場所(ON)と足を貯める場所(OFF)をハッキリさせて無駄に足を使うことがないように。無駄に動き回るのは自身を消耗させるだけです。
また勝負は一発で決めることです。
パワーデータを見たら明らかですが誰でも一回目のアタックが一番パワーが出ます。何度もアタックする選手は格好良く見えるかもしれませんが、多くの場合負けます。

また春先は落車が多いので、集団の中である程度逃げ場所を確保しておきましょう。」



・いつか忘れましたが、TPの方にあげて頂いた誰かの名言集みたいなもの。この12個はよく見返していました。



「1.勝負にこだわれ。順位だけがレーサーの価値を決める。
才能があるとかカッコ良いとかは関係ない。
 
2.不安を抱くな。乗り越えろ。
3.一旦レースが始まったら友達関係は捨てろ。(馴れ合いをするな)
 
4.偏りのないバランスの良いレーサーになれ
5.全てのレースは重要(捨てレースをするな。)
6.バイクスキルを磨け(パワーセービングに繋がる)
7.戦術を磨け(カードを上手く切ることでパワーの有効活用になる)
8.流行りに流されるな。経験を積んだレーサーはダイエット・トレーニング方法を知っている。
 
9.休め。ウィナーはカウチ(ソファ)の上で作られる。
 
10.チャンスを見計らえ。
11.失敗から学べ
12. ドーピングに手を出すな。」



・イメージトレーニングの話。



「・イメージの重要性

イメージトレーニングは驚くほど効果があります。
詳しくは専門書を読んだほうが良いですが、簡単に取り入れることが出来る方法もあります。

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レーニング前
1.トレーニング前に落ち着いて、その日のトレーニングを見直す。

2.メニューを見たらメニューを行う場所を考えてコースのレイアウトを決める。

3.各メニューでのパワーやポイントを過去のトレーニング内容からイメージする。(例「今日のインターバルでは360wキープが目標など」)

4.メニューを完遂しているイメージを焼き付ける。

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レーニング中
実際トレーニングに出たら、トレーニング前に行ったイメージを再生するようにして走る。

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慣れてきたらレースでもこのテクニックは使えます。

私が尊敬するMTBのプロ選手、ジェレマイア・ビショップが勧めるイメージトレーニングです。

私は全てのレース前、完璧なライドをする自分自身を少なくとも2回イメージします。

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1回目は前日コースに入って試走をした後、宿に戻って20-45分ベッドに横たわって翌日の朝からレース中までをイメージします。

「OK。気持ちよく目覚めて美味しくご飯を食べよう。控えていたコーヒーを一杯。
レース2時間前には会場についた。
バイクをチェックして、WUスタート。リラックスして軽く足が回っている。」といった感じです。

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2回目はレース当日WUを始める前です。
会場の風景を脳のスクリーンに描き、アナウンサーの声、空気、匂いを感じます。

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スタート地点に着いたら大きく深呼吸しよう。リラックスしながらも集中出来ている。

滑らかにスタートして、全てはコントロール出来ている。足はスムーズに回っている。集中。

中盤になっても足は相変わらずリズミカルに回っている。後半に入ったら最後の頑張り。苦しいけど追い込める。アナウンサーの声が聞こえてきた。ラストスパート!!観客が自分が勝つ姿に驚いている。」
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こうやって落ち着いた状態でイメージを作ります。
これはビジュアライゼーションと言って驚くほどの効果があります。

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レースでは既に予行演習が出来ていて、自分の思い描いた通りに足が動いてくれるはずです。

イメージでは誰にも遠慮する必要はありません。
自分にとって最高のストーリーを想像してOKです。

あまりに突飛なイメージではいけませんが、自身には自身が思っているよりも大きな力が出せると信じるべきです。

http://www.jeremiahbishop.com/bio/


普段のトレーニングでも、刺激の入る日はかなり覚悟を要するメニューが多かったので、練習前日にはメニュー表を作ってトップチューブに貼り、どこでどんな風にメニューをこなすかはイメージしていました。
ロードレースのビジュアライズは効果ありましたね。1番思い通りになったのが美山ロードでした。ビジュアライズし切れない部分もありましたが。




・美山ロードレース後TTT前に頂いたコメント




「(1)You can do more than think you are capable of doing!

  • Jeff Haden

自分が出来ると思っていること以上の事が出来る!

「頑張ったら意外と何とかなった」という経験は皆さんにもあると思います。自分の限界のその先を引き出すのは「やれる」と信じることです。

人間はいつもどこかに安全マージンを取っているものです。
「ライオンはウサギ一匹を獲るのにも全力を尽くす」の言葉通り動物は常に生きるか死ぬかですから、中途半端な努力はしません。

常に自分が限界だと思っているよりももっと出来ると信じることです。

また不安や恐れから失敗を呼び込むこともよくあります。
出来るだけ不安が無いように準備をして、結果にとらわれずに「今の自分の最高を出そう」と考えることが大切です。


(2)「他人の口に戸は立てられぬ」
もう済んだことで次に向かっていると思いますが、美山RRについて。

インターネットの世界にフィニッシュの映像を好奇の目で見る人やいわれのないことを言う人が居るようですが、一切気にしないことです。

反論する機会のない相手に何を言われても放っておくのが一番。便所の落書きみたいなものだと思ったほうが良いです。そんなものに向かってストレスを溜めても仕方ないです。
ストレスは怒りを産み脳は貴重なグリコーゲンを浪費します。見えない相手にエネルギーを消費してはいけません。

日本で一番入るのが難しい大学に通う選手の失敗はそういう類の人にとって一番の好物だろうけど、それは90%が妬みから来るものです。
妬みからは何も生まれません。

U23で勝ったこと。あの日一番強かったのは福原さんだということ。 そして、来るべき一番の目標に向けて仕上がりは順調だということが認識すべき事実です。」


残念ながら私は美山の後、凄まじい勢いで調子を落としてしまいました。自分のプラスになる分だけ抽出して吸収する力も必要なのかもしれませんね。
チームイネオスのゲラント・トーマスはツールの期間中SNSを一切見ないそうです。要らない情報をわざわざ入れることはしない訳ですね。


レースで思い通りに動けないことで悩んでいる人は少し参考にしてみて下さい。