ワンチャン!!!(続)

2(日) RCS第9戦箱根TOYO TIRESターンパイクヒルクライムラウンド(20km)
クラス3優勝。
全体3位。

今年中にクラス2に昇格する最後のチャンスであろうこの大会。
自分はこの一ヶ月、ここに焦点を合わせて来ました。

京都を前日の8:00に出発し、道に迷ったりして16:00ごろに宿に到着。


http://campmura.com/

宿の予想外の豪華さに一同テンションUP↑
山ガールが出没するという情報を得てさらにテンションUP↑
 
その後宿を出てコースを試走する。
散々研究したので特に目新しいことはなかったが、明日自分が走ることを想像して胸を躍らせる。

せっかく温泉地に来たので温泉に入ろうとするが、芦ノ湖周辺の温泉はなかなかお高くとまっていて我々貧乏学生はことごとく門前払われたため、しかたなく部屋の風呂に入る。

晩飯は豚、鶏、牡蠣、鱈など豪華具材のチゲ鍋。あまりに美味し過ぎてカーボンローディングという概念を忘れて食べまくる。ちなみにチゲ鍋に納豆を入れると味に深みが出て美味しいです(豆知識)。
山ガールが途中で乱入してくるというような嬉しいハプニングはもちろんありませんでした。



そして迎えたレース当日。
朝ごはんはバナナ一本と菓子パン一つ。おなか的にはちょっと物足りないけど、エネルギー的には十分。
前回のレースの反省を生かし、早めに準備を終わらせてジョギング→動的ストレッチ→3本ローラーと入念にアップを行う。

スタート時の並び順がクラス1、女子、クラス2、クラス3という謎の順番であったため、クラス1に置いていかれないか不安になる。
スタートはいつも通りクリートに戸惑い若干遅れるが、スタート直後からいきなり10%の登り坂のためにそこまで遅れずにすむ。初めは全体的にオーバーペース気味であったが、すぐに落ち着いてくるだろうと予想して焦らずに自分のペースで登る。案の定500mも行かないぐらいで周りのペースは落ちてきたため、ところどころに形成されつつある集団を渡りながら着々と前に出て行く。そしてクラス1の選手が中心のメイン集団に追いついたところで、3人の逃げが出来ていることを目視。その距離約50m。正直寒さのために脚の感覚が鈍っていて自分の脚の状態が良くわからなかったが、これまでの練習から自分の脚の耐久性にはある程度自身がついていたので、逃げに合流するために集団を抜け出す。ここから逃げに合流するまでの追走はしんどかった。しかしここがこのレース一番の正念場だと信じ、シッティングでじわじわと距離を縮めていく。

3km過ぎでついに逃げを捕らえる。

逃げ集団の中の選手は、自分以外はもちろん全員クラス1の選手。追走の疲れが抜け切らぬなかゼェハァ言いながらも、クラス1の選手と一緒に走っていることに感動を覚える。
そこからは先頭の東北学院大学の大田口選手に終始牽いていただく。6km過ぎで傾斜が少し緩くなるあたりでペースも少し緩んできたので、後続集団に追いつかれやしまいか不安になり先頭を交代しようかと迷う。だがここで脚を使うのは得策ではないと思い直し、はやる心を必死に抑える。8km辺りで一人だけ追いついて来たものの、後続集団の気配は全くない。ここで頭の中でワンチャンの鐘の音が聞こえ始める。

ワンチャン♪ワンチャン♪ワンチャン♪ワンチャン♪

しかし人間の欲望というのは恐ろしいもので、ワンチャンを確信し始めた時点から自分はまた新たなる野望を抱き始めていた。

そう、「全体優勝」という名の野望を。

ちょいちょいかかる大田口選手の短めのアタックに必死に反応しながらも、頭の中では全体優勝への行程表を描いていく。自分はスプリントに関しては全く自身がない。そもそもまともにスプリントの練習をしていないし、脚質もおそらくスプリント向きではない。さらに、逃げ集団の自分以外の選手は自分より体重が軽そうである。ということは同じ速度で登っていても自分の方が出力は出ているはずである。もしかしたら後半の平坦区間では自分に分があるのではないか。そこから導き出される結論はただ一つ。

逃げるしかない(笑)

何処で逃げるか。10kmを過ぎると平均勾配2%程の緩やかなアップダウンが始まる。そこで逃げを決めるのは難しいだろう。ならばその直前に逃げるしかない。よし、行程表は完成した。あとは実行するのみ。

予定通りに残り4kmの看板が見えたところで逃げ集団の最後尾からアタックを仕掛ける。
100m程ほぼ全力でもがいた後で後ろを振り返ると、誰も付いて来ない。
決まった!

そこからの3kmは夢見心地でした。
もしかしてこのまま決ってまうんか?
いやいやそんなはずないやろ。おまえアホか。
↑脳内会話
妄想しすぎて若干下りで緩んでいたかもしれません。

もちろん逃げがそんなに簡単に決まるはずはなく、ゴール前の最後の登りで大田口選手と立教大学の森田選手に捕らえられそのままちぎられました。
こうして全体優勝の夢は儚く散っていきました。


3位にも関わらず誰よりも喜ぶ自分に観衆から白い目が向けられる

レース後に考えてみると、スプリント勝負といっても上り坂でのスプリントなのでもしかしたら勝負できた可能性もあり、逃げたりせずに冷静に最後まで牽いてもらったほうが良かったのかもしれません。実際に、優勝した立教の森田選手はその戦略で優勝したようです。
しかし、こうも考えられます。自分はそれなりに頑張って逃げていました。大田口選手は追いついて来るために、多少は脚を使ったはずです。その結果最後に森田選手に差されてしまった、という可能性も考えられます。もし自分が逃げなければ、大田口選手は終始自分のペースで走って最後に万全のスプリントを決められたかもしれません。そうなれば自分では太刀打ちできないでしょう。
どちらの選択肢が正しかったかどうかはわかりません。
唯一わかったことは、どちらを選んでも勝てるぐらいの実力をつけなければいけないということです。

全体優勝こそ逃したものの、目標としていたワンチャンは無事ゲットしました。
そしてクラス1の選手と同じ舞台で戦えたことは大きな自信につながりました。

最後に、今回の遠征でサポートに徹してくれた福島君と山本君そしてワイドレシオのスプロケットを貸してくれた須々田君、本当にありがとうございました。