シンカラ1st stage

シンカラの準備と苦悩 - 京都大学自転車競技部練習日誌
シンカラ0日目 - 京都大学自転車競技部練習日誌

109.3km/5分/2時間/移動日 
(距離/宿からスタート地点までの時間/ゴール地点から宿/宿が変わるか)

やっと来ましたこの日。ここで一旦メンバー等を整理。
・ドライバー2人。どっちかがAldoさんでどっちかがRezaさん。最後まで分からず。区別のためにあだ名で言うと、チームカーの方がオバマ(ちなみにモハメドアリ似)、バスがカヴ(理由は後ほど)。普段は1日タクシーなどツアー会社の運転手をしていて、今回の契約もそんな感じ。Ms.!以外の英語は全く話せない。そして、サンキューしか多分伝わってない。
・LOのプジャさん。24歳にして、普段は友達と作った会社でフリーの翻訳の仕事をしているらしい。英語、インドネシア語が話せる。知る限りどこのLOよりも英語の発音がよくて、日本語も少し分かる。そして、しっかりしすぎている。
・チームカーは、トヨタavanza(5MT)
・バスは前から3+3+4+4人+ハイエースの荷台くらいのサイズ。この日の朝の移動のときより、チーム専用のものが現れた(気がする)。

荷物の積み込みが朝3時とか言われたので、1人3時半に起きてロビーに行ってみた。部屋を出た瞬間から察していたけど、どのチームも積み込みなんかしていなかった。二度寝
結局、この宿にはまた戻ってくるらしいので、輪行バックはおいていくらしい。その他の宿泊荷物のみを持って移動。プログラムに目安の移動時間などは書いてあるのだけど、レース開始にさえ間に合えば何時に積み込み、出発してもよいことがこの後すぐに分かる。あと、スタート時のセレモニーにも出る必要も全くない。いかにも絶対出席みたいなことが書いてあって、LOにも出るように言われたので間に合わせたら、準備・出発の早さがぶっちぎりの1位だった。

宿を出る前に、前日頼んでいたクーラーボックス代わりの発泡スチロールの箱がもらえた。うちのチームがクーラーボックスを持っていないのを見たLOが前日のうちにいる?と聞いてくれていた。その時点ではまだ誰かと交渉したわけではなく、もらえるのが確定ではなかったのだけど、この後もプジャのファインプレーは続くことになる。
そして、前日からの水に続きこの日から氷も支給される。宿でもらえるかスタート地点でもらえるかは日によるけど、だいたいスタート地点。今回はLOとオバマが当たりだったので、いつもスタート地点に着くなりどこからともなく運んできてくれた。スタッフの足りていないWJICFにはとてもありがたい。はずれだと、こちらが聞くまでもらえる場所を言ってくれなかったりするらしい。ちなみに、もらえる量は
水:500mL×24本×2箱
氷:20kg弱 (あくまでも外から冷やす用。飲めない。)

スタート地点までの移動は自走でもいいし、バスで行ってもいい。サインは常にスタート1時間前〜30分前。軽いチーム紹介があるので、全ステージ、チームまとまってサインに行った方がいい。先ほど何時に会場入りしてもいいと書いたけれど、このチーム紹介のせいで時間が後ろになるにつれて段々とサインの列が長くなる。そして、このサインしているときが最大の写真チャンス。

この日はまだまじめだったから、選手はセレモニーに間に合うようにちゃんと30分前にスタート地点にいった。ぎりぎりまで横にいて水をあげようと思ったけれど、あまりの人の多さに車まで帰れないと思ったのでかなり早い段階で離れた。


 
 このコースプロフィールは公式Facebookからひっぱってきたものだけど、たった1冊しかないプログラムに載っているものはすこぶる画質が低いので、距離の数字はちゃんと読めないし、色もなんとなくしか分からない。
また、予想通過時刻からして、ツールのようにパレードラン終了時の一時停止はなさそう。我々の目標はもちろん完走なので、できるだけボトルは取りに来ないように伝えた。最後に現実的な問題。DNFになったら、レース最後尾を走っている2台のバンに回収されることになる。これは前日までに確認しておいた。

10時ちょうどにスタート。
オバマは基本一般道用の運転手だけど、日本からチームカーは運転するなと言われていたのと、サポート不足のためチームカーを運転してもらう。彼に英語は通じないのでプジャにも助手席に乗ってもらった。プジャには、選手が遅れてたら毎回車を横付けするように頼んでおいた。
チームカーの番号順にちゃんと並んでね!ってスタート前に2回言ったのに、一般道走ってるとき並みの謎の抜かしあいが始まった。他チームとかバイクコミッセールにクラクション鳴らしまくるので、19番目だよ〜ってもう1回言うと、何やらインドネシア語オバマと話した後にNo problem.って。いやいや、This is a problem.ですよ…その後やっぱり、無線でコミッセールから順番通りに並べ!って怒られました。

さてさて、パレードランが終わり、栗田ちぎれたか〜と思っていたら、道端に止まっている吉岡を発見。前輪がパンクしていた。交換に手間取ったのが本当に申し訳ない。その後すぐにチームカーの後ろにつかせて走ろうとしたら、コミッセールに離れるように言われてしまってできなかった。パンクだとアピールしたけれどダメだった…まあ確かに正確にはダメなんだろうけど、その後パンクした他選手は姿くらまし使って消えていったのに。この後、二宮も発見。置いていくことになった。そこからは、ボトルの渡し方などをひたすら他チームを見て研究した。
ちなみに、この注意されたバイクコミッセールにはレース最後までお世話になるのだけれど、この人はいつもLOのプジャさんに向かってインドネシア語で話す。もちろん、何を言ってるかなんて分からない。パンクだということがちゃんと伝わっているかさえも分からなかった。

レース終盤、やっぱり残り3人のボトルは空になったらしい。快晴で100kmも走ったらそうなりますよね。川嶋が一度チームカーを呼んで、それが分かったのだけど前に上がろうとしたらなぜか止められてしまった。そのため、誰にもボトルを渡せず。レース終了後に、熊野でAACA選抜の監督をしていた鈴木さんに伺うことになった。
井上は残り少しで足を完全に攣って、集団から遅れてゴール。他の2人は集団でゴールした。ゴール地点も人でいっぱいだったので、なかなか選手を見つけられなくて、氷やボトルをすぐに渡せなかった。
ゴール地点でたまたまオーガナイザーのJeffさんに会ったので、パンクの吉岡を車の後ろにつかせられなかった話をしたところ、「ん〜、初日だから仕方ないよ」と言われた。ぎりぎりでやっている身としては、そんな理由はかなりつらい。

ちなみに、毎日、スタートとゴールでお弁当がもらえ、ゴール地点には昼食会場も設けられている。この日は会場には寄らなかったけど、お弁当にはだいたい菓子パン、フルーツ、水が入っている。

晩御飯はgovernment place で食べると言われたが、メンバーの疲労を察したプジャが会場に行かずにホテルのルームサービスを取ることを提案してくれた。お偉いさんに一言声をかければ、そういうこともできなくはないみたい。結局、メニューがたくさんあったのにナシゴレンしか作れないと言われたのでみんなで夕食会場に行くことになったのだけど、プジャさんすばらしい!
夕食会場のご飯はそれまでのクオリティと対して変わらなかった。唯一食べていいと言われている白米には1/3の確率で砂ときどき小石が入っている。まだ到着3日目だというのに、この頃からみんな変わりばえのない食事に飽きてきていた。

 この日の宿は前日までよりも少し質が落ちたところだった。シャワーは水しか出ない。というか、温度調節の概念がない。2階だというのに部屋の中をアリさんが闊歩していた。
そして、宿に着くなり、栗田はマッサージを、二宮はメカニックをすると自ら言い出したので任せた。この日から完全にこの分野に関しては2人に任せっきりにしてしまったのは反省。自分は、プジャとずっとルールの説明や、これから取るかもしれないチームカーの動きに関して話した。


雑感/したこと
・コミッセールのいないところは無法地帯。単純に脚がなくて遅れても姿くらましを使う有名チームがたくさんいた。
・運転をドライバーにお願いするなら、チームカーの番号通りに並ぶように何回も伝えた方がよさそうです。計3回では足りませんでした。そしてやっぱり、ドライバーもルールに関しては全く知りませんでした。
・吉岡を車の後ろにつかせたとき、Lead himという言葉を使ったのだけど、全く通じなかった。多分、ロードレースを見たことがないから車の後ろにつくと楽に走れるという概念もなかったのだと思う。運転をお願いするなら、ちゃんとこういうことも伝えておくべきだった。というわけで、それ以降はコミッセールのいないところでボトル渡すふりをして選手を押すチームや、車の後ろにつかせているチームを見るたびに、必要な時はあれやるからね〜と毎回言っていた。実際に見せると、言いたいことはすぐに理解してくれた。
・lead him と leave him を区別するために、前者にはso that he can follow usなど、後者にはcut in this group / let’s go to the peloton などをつけると聞き間違いが少なくなった。使うのはこのステージより後の話ですが。

・タイヤ交換が早くできなかったことは反省。パンクしたら二度と集団に戻れないという話をしていたとはいえ、もう少し心の準備をしていればよかった。
・チームカーからの補給の仕方はだいたいは分かっていたけれど、やはり実際にはできなかったので鈴木さん経由でキナンの石田監督にちゃんと教えてもらった。(方法はまた後で)
・出発前に読んだブログで、バスがいつ宿にやってくるか分からないと聞いていたので、大事な荷物はチームカーに積んでいたのだけれど、レース終了後に昼食に行ったオバマとともにチームカーが消えてしまった。翌日からホテルチェックイン時に必要なパスポートなどはバスに積むことになる。そして、そういうわけでチームカーに積んでいたボトルを洗いそこなった。

・酔い止めがないと死ぬ。
・常にくねくねの道なのに、下りを時速80kmで飛ばすからマーライオン選手権が開催される。それなのに、オバマはかかってきた電話を取って片手運転をするから、酔い止めがないと後部座席は本当に大変なことになる。

・自転車に貼っていたコースプロフィールは意外と役立ったらしい。速くてつらいときに見て、あとちょっとでくだり〜〜〜っていう使い方をしてるらしい。

シンカラ2nd stage - 京都大学自転車競技部練習日誌