個人ロード

コ・ロードの「コ」は、cooperateのcoだとの説もあります。今回は、そのように提唱する、京都大学の牧選手に話を伺いました。

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―本当にcoだと思っているのですか?
「ええ、そのように考えています。たとえコ・ロードであっても、チームで戦うことが大切だということです。これは、理想と現実、本音と建前、お椀お茶碗みたいなものなのです。その中で上手く立ち回れなかったことが悔やまれます。」
―それは長年の課題ですよね。
「はい、しかしこれがなかなか難しい。全員が大学から競技を始めた中で、我々はやっとレースのことが分かり始めてきた、いや、あるいは未だ無知なのかもしれません。逃げに誰かを送り込むことはなかなか難しい。ただ、それによって有力大学に振り回されてしまいますからね。」
―なるほど。では自分が逃げればよかったのでは?
「レースでは自分が逃げようという考えもちらとあったのですが、監督に指示されたわけでもないし、自分のスタイルを守って、集団の最後尾にいました。というのは半分嘘で、本当は自信が無かったというべきでしょう。でもレースの全体が見えるので悪くはなかったです。向井田はアタックのチェックをしていて、岡本は省エネキープ。福原があまり活発でないのが気がかりで、落車したときも、遅れるようだったら集団復帰手伝おうかと思いましたが、リカバーが早かったのでその必要もなく。この辺りまでは私は非常に冷静でいられましたね。」
―ではどこでおかしくなったのですか?
「やはり集団から抜けたところでしょう。日大は逃げていたので草場選手は引いてくれず、後で法政の佐藤選手が来てくれて助かりましたが、ここでだいぶ足を使いました。ブリッジの算段はありませんでしたが、動かない展開に痺れを切らしてしまったのだと思います。あとは、少しチャレンジしてみたかった。京大もこれだけ残っているけど、他力本願ではなくて戦っているのだとアピールする必要があると感じました。足はギリギリ持つかなと考えていたのですが、足を攣らなかった代わりに今回は腰にダメージが来て全く踏めず。浅井さんを見送った時点でジ・エンドだと思いました。」
―自分の能力を見誤ったと?
「そうかもしれません。しかし、調子に関しては結局よく分からなかったのです。TTで全然踏めなくなって、美山以降で調子は下降気味かと思いましたが、確認の意味で花脊を登るとそれなりのタイムが出る。しかし体は重く感じるし、乳酸の抜けも良くない。体重は適正だったのですけどもね。」
―それは残念でしたね。
「ええ。でも、良い経験になったと思います。有力選手と共に走ると実力の差をありありと感じることが出来ますし、トップ選手はその時々の最良の選択をしていました。残念ながら、これを活かすチャンスも、あと2回ほどですが。あとは、自チームの声はもちろん、他大学の方の応援には非常に感動しました。」
―そういう側面もあったのですね。
「はい。ただ、リザルトに残らなかったので、結果として自己満足的な走りになってしまったこと、チームメイトやサポート陣に対して申し訳なく思っています。なんとか、自分が楽しみつつ、見ている人をエキサイトさせることが出来るように、そして結果も出していけるよう、あと3ヶ月精進したいと思っております。」
―Большое спасибо.