ツール・ド・北海道2019〜夢舞台〜

2019/9/6第1ステージ
距離181.6km
4時間35分20秒(+5分21秒)
35位
出走99人、完走82人
f:id:kucrt:20190913090518j:plain


ついに来ました北海道。

初のUCIレースだが、意外と検車は緩かった。検車場で係のお姉さんから「福原選手頑張ってください。」と言われたそうだが気付かなかった…。すみませんでした。頑張りました。


この日は好調。

序盤は集団の真ん中から少し後方に位置取り、市街地のインターバルに耐える。沿道の応援が本当に嬉しい。

車で前日試走した直線区間では休み、1級手前でそこそこキツイ坂。周りがゼーハー言っていたが、自分は少し余裕を持ちつつ位置をあげる。とはいえ、まだ1級始まってないのか〜とうんざり。
大体5分380wくらい。


1つ目の1級ではそのまま前で展開し、プロが数名飛び出したのに反応。この時は後ろがあまり反応しなかったので失敗したと思ったが、実際にはここが1つの分水嶺だった模様。1本目の1級峠は前日車で走った時の印象よりは短く感じた。
大体18分285wくらい。

4分くらい休んで2つ目の1級。
ここはかなり得意な斜度が続いていたし、前日実際に走っていたので、ひたすらプロに位置を取られないように間を保ちながら耐えた。
大体17分305wくらい。キッツいけどまだいける。

2つ目の1級越えて下ってからはプロにビタ付き。補給後アップダウンはあったものの、基本的に切れることはない。けど地味に脚にくる。

キツくなったのは2級手前のアップダウン区間。先頭で断続的にアタックがかかり続け、気合いで耐える。
2度「気のせいや!」と自分をごまかしたが、2級中腹でペースのアップダウンについて行けずに千切れた。

千切れたあとはチームカーからボトルを受け取り、後ろからブリジストンが来ているから待つように指示を受ける。
ふむふむと思ってのんびり2級を越える。頂上に近づくにつれ応援の人が増え、速度も遅いからよく声も聞こえる。せっかく応援してもらっているのでしっかり手を振っておいた。
そんなこんなで丁度頂上付近で後ろからワイルドライフの選手がやってきた。
この選手はアメリカ人でとにかくデカイ。下りは全引きしてもらった。
下ったあとはサポートカーの方で前を走っていたキナンの新城選手に声をかけてもらって3人で流しながらゴール。
f:id:kucrt:20190913083303j:plain
シクロワイヤードより。
https://www.cyclowired.jp/image/node/306228
http://home.trainingpeaks.com/athlete/workout/DVR7ILS6NHMYF33IPWMWMJCF6M
https://www.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=80


第2ステージ
距離171.8km
3時間57分48秒(+15秒)
41位
出走82名、完走76名
f:id:kucrt:20190913090537j:plain


脚の調子は相変わらず良好。
f:id:kucrt:20190913085334j:plain
スタート前、部のOBでシマノ勤務の山本さんと。連日のミーティングにも参加していただきました。ありがとうございました。
f:id:kucrt:20190913085500j:plain
こんなこと書かれたら死んでも補給取りに行く。本当は死なないように取りにいく物だけども…。
下の生物は何でしょうね?


この日は前日リーダージャージを獲得したニッポのコントロールを期待し、序盤のアタック合戦の影響を避けるべく集団最後尾でスタート。
前日のミーティングでは、アタック合戦等々で少なくとも序盤は高速レースになるだろうというお話。逃げがちゃんと決まればニッポがコントロールするから、そうなれば落ち着くだろう。けれども総合首位が逃げたりなんかしたらどうなるか予想がつかないとのこと。


集団最後尾で実際にはコーナーのたびにインターバルをうける。そして気温が低いことで尿意が常に襲ってくる。実際に止まっていたプロも多かった。
逃げは決まってニッポのコントロールが始まったようだが、集団最後尾は全然楽じゃない。
コースプロフィール的に序盤は誰も千切れず1級手前の補給が混雑することは予想されたので補給所手前でサポートカーを読んでボトルを受け取る。しかしここで散々失敗して、集団に追いつくために1級手前で1度かなり無駄に踏んだ。
大体3分330w、max740w


1級入ってからは一定ではあるものの予想以上のハイペース。おそらく先頭付近ならキツイくらいでこなせたのだが、位置取りが集団最後尾だったので溢れてくる人を避けながらの全力走。そして頂上付近でまたペースが上がったまま平坦基調になったので、頂上超えても全力。
大体22分279w、そのうちラスト4分くらいは320w付近で時々400w超え


下りは休んで補給をとったり。
そこからは登り返しもあったが、対応できる範囲。
前日の1ステージの経験から、1級よりむしろアタックがかかりまくる2級の方がキツイのは覚悟していたので、2級のアタック合戦もギリギリ集団に食らいついた。2級頂上付近で逃げができるのを目撃。

あとは集団最後尾で翌日のことを考えながら補給を取りつつ休んだ。向かい風だったからか、平坦直線区間の最後尾でもインターバルはかかったが、練習のマイクロバーストほどでもなく、千切れはしなかった。
最後は安全を優先してゴールスプリントには絡まなかったが、このせいで集団から7秒のタイム差を取られた。
https://www.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=82
http://home.trainingpeaks.com/athlete/workout/F2WPHPTGT5CS72QXO4MUIRY2AA



第3ステージ
距離179.9km
4時間10分12秒(+13秒)
出走76名、完走73名
f:id:kucrt:20190913090553j:plain


さすがに3日目となるとしんどいが、脚は相変わらず元気。
f:id:kucrt:20190913085913j:plain
単純だからこういうこと書かれると頑張ってしまう。上から2つ目はあやのさん特製総合上位選手リスト。



今日は個人的に1番狙っていた日。
前日のミーティングでも総合に関係のない自分は逃げに乗れるチャンスがあると告げられる。それに最終日なので前2日と違って最後まで出し切って問題ない。トップチューブにも総合上位選手をリストアップしておいて、こうした選手が含まれない逃げには迷わず飛び乗る心構え。


この日は序盤のアタック合戦に参加して逃げを狙った。ローリング中に出来るだけ前に位置取りして構えた。
ただこの日は他の人も逃げを狙っていたようで、延々とアタックと吸収が繰り返される。
30km地点くらいの小さな名もなき登りがかなりキツかった。けれども平坦基調のハイペースばかりで位置を上げられるところがなかったから、こう言ったところで踏んで位置を上げておいた。逃げはこのあたりでできたのだろうか。

逃げられなかった場合はこのステージ唯一の山岳に備えてひたすら省エネ。
山岳に入って、待ちに待ったキナンのアタックに反応。溢れるひとを横目に、ここなら中切れはなさそうだと思うところまで位置をあげる。
ラスト1km看板からは周りもキツそうでフラつくひともいた。
KOM後のくだりを考えて、位置取りのためにKOM手前で踏んで位置をあげる。
KOM手前7分340wくらい。まあ普通。


しかし下りは思ったほどペースが上がらず、KOMで千切れた人たちも後ろから続々と合流。ホントに、あの登りでの苦労を返して欲しい。
あとは基本的に下り基調で集団内に潜むだけ。サポートカーからボトルを受け取ったあとに小さな登りが2つあったが無難にこなし、最後はスプリントに絡めないままゴール。

f:id:kucrt:20190913085651j:plain
3日間完走しました。
https://www.tour-de-hokkaido.or.jp/download.asp?id=81
http://home.trainingpeaks.com/athlete/workout/BQDJ6IYTHU2WT4ZN2SDIRCLGEM





以下雑感

いや〜このレース3日間は楽しかったですわ。出場できたこと自体は運としか言いようがないけど、1つのことを一生懸命やってたら良いこともあるもんですね。

ツール・ド・北海道は普段のワンデーレースとは全然勝手が違って、サポートなしではあり得ないものでした。
サポートの人たちが何を考えどういったことをしたのかはそちらのレポートにお任せしますが、とにかくありがとうございました。
レース中毎日当たり前のようにスタート場所まで行き、ピカピカで整備されたバイクに乗り、補給をとり、ゴール後また宿まで移動し、洗濯をはじめとしてほぼ全てのことをやってもらいました。
特にあやのさん、牧さん、理さんの3名の先輩方には入部から最後の試合まで本当にお世話になりました。
また中田コーチ、高折先生にはワールドクラスのサポートをしていただきました。今回のツール・ド・北海道でインナーウェアのDe Marchiとサポートカーは間違いなく京都大学が出場チームの中で1番だったと思います。
岩見も3日間洗車等々ありがとう。1日目でレースを去った辰巳と新谷もよく動いてくれました。
山田ちゃんも最後のサポートありがとうございました。
f:id:kucrt:20190908161224j:plain
毎日牧さんにゼッケンを貼って頂いたが、最終日はなんと43本もの安全ピンが!これは絶対にバタつかないわ。
f:id:kucrt:20190913090126j:plain
レース後はいつも通り運転をお任せして自分は脚を上げて回復に全力を尽くす。レース直後は甘いものやBCAAやプロテインを詰め込むから結構しんどい。



上で書いたことと重複する部分もありますが、今回のレースは本当に先輩方にお世話になりました。もう4回生で引退なんですけどね。いつまで経ってもお世話になりっぱなしでした。
そして今回個人的に嬉しかったのは岡本さん、向井田という、入部以来4年間ずっと一緒に練習してきた2人と完走までできたことですね。
インカレで松山が落車したことは残念だったし、初日に辰巳が補給所で落車し、新谷がDNFとなったのは非常に残念でした。
ただそれとは別の話として、特に岡本さんと走れたのは良かった。そもそもツール・ド・北海道を目指すと公言し始めたのが岡本さんですしね。そして4回生でインカレを走り終わって学連を去った5回生にもなって、9/11に院試を控えながらもずっと練習し続けて北海道を完走したのはすごいとしか言いようがないです。やっぱり、1つのことを一生懸命やってたら良いこともあるもんなんですね〜。継続できることがすごいんだけれども。



さて、今回ずっと目標にしてきたツールド北海道に出場し、完走し、なんなら大学2位といった結果まで残したわけだけど、後輩思いの優しい私としては、是非とも後輩たちに北海道で走る楽しみを感じてもらいたいし、できれば我々の成績を上回ってほしいと思います。
本当は今年のインカレロードで少なくとも大学対抗3位以内になって置き土産をしていくつもりだったのだけど、残念ながら8位で置き土産どころか脚を引っ張る形になっちゃいましたね。まあでも、ポイントに絡んだのは来年関係のない私だけだし、来年のTTT3位、個人ロード3位くらいになればまだ北海道圏内にとどまれるのではないでしょうか。当たり前だけど、自分達でポイント取って行くしかないですね。
キツイこと言ってるようだけど、冬季練習の重要性もパワートレーニングの多少のノウハウもTTTの練習も見てきた分、我々よりも成績は出せるでしょう。辰巳と新谷は北海道を実際に走っているしねー。
頑張ってください。


今回ツールド北海道出場にあたって、実に様々なご支援をいただきました。De Marchi様のインナーは十勝岳の下りを物ともせず、かといって暑い中でも快適でした。うーむ、不思議ですねぇ。
ポディウム様から提供していただいたオイル各種は私の命を救ったといっても過言ではありません。2日目は脚から腹にかけてアップオイルを塗りたくって出走しました。あれがなければ尿意エンデューロどころの騒ぎじゃなかったです。またオルベアのボトルなど各種備品も快適に走るためには必要不可欠でした。Visionの代輪を貸していただいたので、安心して走れました。
そのほか、レース出場にあたって多くの方々からご寄付をいただきました。ありがとうございました。おかげさまで費用面に気を取られすぎることなくレースに集中できました。

実に多くのことを全てひっくるめて、北海道は本当に夢舞台でした。
f:id:kucrt:20190913085257j:plain