2019TTT〜普段の練習とウエイトトレーニング〜

・普段の練習



(1)トレーニング調整の方法
もし土曜日の合同練習以外でも一緒にトレーニングに行けるなら行ったほうが良いです。

FTPのインターバルを先頭交代を交えて行ったり、VO2Maxのインターバルを一緒にやればより追い込めるでしょう。

(2)どれぐらい一緒に行くか?
概ね週2-3回程度で良いと思います。

あまりに一緒に行くとお互いのトレーニングが出来ないからです。

パワーゾーンも課題もそれぞれの選手で違いますから、一人でトレーニングする日も必要です。

実力が近い場合はFTPを超えるトレーニングを一緒に。

実力が離れている場合は、エンデュランス系を一緒に行けば良いと思います。



強度の管理について
チームトレーニングで一番大切なのはRPEです。

チームトレーニングはパワーそのものよりもペース配分、先頭交代のスムーズさ、足を使わないペダリングなどの意識がより重要です。

その上でAVP(Average Power)やNP(Normalized Power)を目安に管理するのが有効です。

NPは「もし一定ペースで走った場合の想定値」です。上り下りのあるコースではAVPは強度を正確に表しません。
NPであれば「体にかかった”フィジカルコスト”」をより正確に計算してくれます。

ただ注意点として計算上NPは1時間以内だと高く出過ぎる傾向があることです。
とくに20分以内だと正確性を欠きます。
その為、20分以内のエフォートでは「ちょっと高く出ている」前提のもとにNP管理をした方が良いと思います。


しかし繰り返しになりますがチームトレーニングではパワー以外の部分が大切!
ヘッドユニットばかりに気を取られず全体に注意をはらってトレーニングしてくださいね。






・ウエイトトレーニン




ウエイトトレーニングは必ず取り組んだ方が良いです。

パワー=力 x スピード

自転車で言うと力はペダルにかかるトルク
スピードはペダルが回る速さ(CPV)

速く走ろうとすると、より重いギアをより速く回せば良いわけですが、そのためにトルク、スピードを分けて考えて強化します。

トルクを上げるにはビッグギアとウエイトトレーニングが有効です。

イメージとしてはウエイトトレーニングでつけた筋力をビッグギアで自転車上で発揮できるように変換していく感じです。

またウエイトをすることで「大きな筋肉からパワーを出す。体の中心に近い場所から動かす」という動きを学ぶことが出来ます。

人間の筋肉の中で大腿四頭筋・臀筋・ハムストリングスは大きな筋肉です。

ですから腓腹筋などを使って小手先のペダリングをするよりよほど大きな力を出せますし、その分疲労が少なく持続力もあります。

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多くの選手は臀筋を使うのが苦手です。
目で直接動き見えないのと、普段あまり使わないからです。

ウエイトトレーニングでスクワット・デッドリフトは自転車選手が最初に習得すべき種目です。

それらが出来てきたら(概ね体重を10回チーティングを使わずに上げれる)、ランジやステップアップ、片足のレッグプレスなど片足で出来る種目を取り入れていきます。

ちなみに動きを習得する(特定の筋肉を意識的に動かす)のはウエイトトレーニングで行って、自転車に乗ったらあまり意識せずにスムーズさに注力したほうが良いです。

どこか特定の筋肉を意識しすぎるとギクシャクしたペダリングになるからです。


ウエイトその2

ウエイトトレーニングの鉄則は「最初の3週間は軽めに!」

筋肉痛が酷すぎて動けなるほどやってはいけません。そうするとバイクのトレーニングが出来なくなってしまいます。

本来ウエイトはシーズン終了後から冬の間に取り組むものです。
今の時期から取り組むなら、補強として、自転車のトレーニングを阻害し過ぎないように行うべきです。

(1)ウエイトトレーニング開始時の注意
最初はフォームづくりのつもりでシャフトだけでも良いぐらいです。それでも充分良い効果があります。ウエイトは火曜日か、土曜日・日曜日あたりに行うのがおすすめです。

(2)バイクトレーニングのタイミング
バイクトレーニングを3時間以上やったなら4時間以上離して行ったほうが効果が高いです。

なぜなら持久的なバイクトレーニングは体を痩せる方向(カタボリック=異化)に向かせるので、そのような状態でウエイトトレーニングを行っても血中アミノ酸が少なく筋肉を増やす(アナボリック=同化)状態になりにくいからです。

(3)栄養摂取のタイミング
レーニング前後にタンパク質を補給したほうがトレーニングの効果は高くなります。
(出来ればトレーニング前はアミノ酸、トレーニング後1時間以内にプロテイン

(4)時間とお金がない場合は?
4時間あけて二部練を出来る日ばかりではないと思います。
そういった場合はバイクトレーニングと連続して行っても良いです。その場合バイクとウエイトトレーニングの間にタンパク質を取るだけでも筋肉が付きやすくなる可能性があります。

プロテインアミノ酸を買えない場合はゆで卵でもOKです。

もし卵アレルギーがあれば、下記を参考に食事を改善してみてください。
https://www.meiji.co.jp/sports/savas/lecture/n4_4.php

(5)お金があっても
私はあまりサプリメントに多くのお金を注ぎ込むのはお勧めしません。月に数万円も注ぎ込むのはナンセンス。

基本的なプロテインが第一。
他には出来ればアミノ酸、必要に応じてビタミン剤ぐらいで充分だと思います。

また海外製の素性の知れないサプリメントは絶対買ってはいけません。
ドーピング物質が含まれていたり、何の価値もない不純物が含まれてる可能性もあるからです。

(6)その他
お腹が弱い選手は整腸剤を飲むのをお勧めします。
アサヒビールエビオス強力わかもとなどです。

お腹の調子を整えるのは調子を安定させ、トレーニング効果も上がります。

価格も安いので保険として飲んでも良いでしょう。





・休息





疲労回復について

バイクトレーニングもウエイトトレーニングと同じで、現在の能力よりも高い負荷をかけた時に体が反応し強くなります(超回復)。
ですからバイクトレーニングでも現在の能力よりも高い負荷をかける「ON」と、回復させるための「OFF」をハッキリさせた方が効率的です。

・アクティブリカバリー(<55% of FTP) 30−60分
アクティブリカバリーの目的は「リカバリー」。血流を促し筋肉を解すことで回復を早くさせます。
ですから回復を遅らせてしまうほど追い込んではいけません。ハンターの言葉を借りれば「ペダルに足を載せるだけ」で充分です。
また時間は1hに設定していますが、あまりに疲労していたらOFFにしてストレッチだけにするか、60分以内でも問題ありません。
あくまで回復を促すのが目的です。