*TTTで喉がカラカラに乾いたらどうするか?
TT中の喉の渇きは集中力を鈍らせます。
レース前半は脱水状態にならないようにボトルで水分補給をするべきですが、後半あまりの苦しさにどうにもボトルに手が届かない時はあります。
その場合は、下顎と歯の間に舌を押し付けます。
やってみると分かりますがそうすると唾液がでて、少し口を湿らすことが出来ます。
パリパリに乾くと集中力が下がるので、その場しのぎではありますが、この方法を取ります。
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雨の日のブレーキング
雨の日はディスクホイールのブレーキは全然効かない!と思っても良いです。
TTTでブレーキをするほぼ唯一の機会はUターンの時です。
当日雨が降った場合はかなり前からブレーキを何度か当てぎきさせてリム部の水分を切っておく必要があります。
制動距離は大幅に伸びますから、この場合はコーナーを休憩区間と割り切って早目にハンドルを持ち替えて、その間体をリラックスさせることに専念しましょう。
その分タイムは失いますが、落車するよりずっと良いですし、長く休める分、また直線で頑張れば良いです。
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ボトルは満タンにしなくて良い
天気によりますが、60kmのレースで想定タイムは1h20m。そうであればボトルは2本要りません。
おそらく1本と半分ぐらいで行けるでしょう。
不要な荷物は持たずに走ったほうが良いです。
こちらも何度か実験して(美山RRあたりがちょうど良い)今の時期は1h20mのレースでどれぐらい水分が必要かを把握しておきましょう!
*不測の事態に備える方法
レースでは常に不足の事態に備えなければなりません。
スタート直前にパンクするかもしれませんし、メカトラブルが起こることだってあります。
落車の可能性もあります。
こういった場合に大事なのは「パニックにならないこと」。
やれることとやれないことに切り分けて、やれることに集中します。
パンクしてパニックに陥るのではなく、台車を探さないといけないですし、メカトラブルなら直さないといけないです。
落車が起こったら、復帰を待つか(だいたい30秒のロスになります)、残されたメンバーだけで行くか?を決めなければなりません。
また出来る限り事前にトラブルに備えておくことも必要です。スタート地点にはチームメートにお願いして前後輪のスペアと最低限の工具をもって行くべきです。
トレーニングも同じで昨日のような風を経験しておけばレース当日に風が吹いても落ち着いて走れます。
もしTTバイクで強風の中を走ったことがなかったら、不安をかかえてしまいますからね。
*チェーン
1.チェーンの長さはひとコマ長めに!
合宿でお見かけしたところ、殆どの選手のチェーンは短すぎます。
チェーンはシフト性能が落ちないギリギリまで長い方が駆動抵抗を減らせます。
チェーン下側のテンションをかけると駆動抵抗になってしまいます。チェーンの屈曲がキツいプーリーの部分はチェーンの抵抗が大きいのですが、そこで引っ張られると余計に抵抗が増えます。
ロードレースではインナー x トップは使わないのでインナートップでチェーンがたるむのは気にしないで良いですが、アウター x ローは結構使いますから長めが良いです。
2.チェーンライン
TTTはロードレースよりもケイデンスが高くなります。
ロードレースの中央値が90rpmとするとTTは95-100rpmあたりになります。
その分、チェーンの速度は上がりますからプーリーやチェーンの抵抗を減らすのは大切です。
1h20m で60kmを走るとするとAVGは45kph
もしケイデンスが95rpmだとすると53 x 14Tだと45kphになります。
そうすると、53 x 14Tの時にチェーンラインが真っ直ぐになるようにした方が駆動抵抗が少なくなります。
ワールド・ツアーレベルになると先述の屈曲抵抗を減らす為にアウターを大きくして同じギア比でも大ギア x 大ギアにして抵抗を減らします(ビッグギアプーリーと同じ理屈です)。
さらに一番良く使うギアでチェーンラインが真っ直ぐになるようにします。
学生レベルだとここまでする必要はないですが、知っていて損はないでしょう。
3. チェーンの抵抗
チェーンの抵抗はギアとチェーンの摩擦ではなく、ピンとインナープレートが内部で擦れる部分です。
ですからここにオイルを浸透させるのが重要になります。
トラックやワールド・ツアーの選手がワックスチェーンを使うのはここの油切れを防ぎたいからです。
チェーンオイルを表面にたくさん塗ってもあまり意味がありません。むしろホコリを呼ぶので良くないです。
ですからチェーンオイルを塗ったら、何回転か回して内部に届くように馴染ませてから、不要なオイルは拭き取るべきです。
沢山塗るのが正解では無いです。
- KMCのクイックリンクは注意深く脱着すれば2-3回は問題なく使えます。
無理にこじらずに真っ直ぐに圧縮するようにラジオペンチなどで挟むと外れます。
- チェーンの一番駆動抵抗が減る時期は新品よりも100kmほど走り込んだ後。
これは中田コーチのバイクですが…
参考までに。