2019/6/8(土)個人ロード@群馬CSC〜正直、北海道は遠いでござる〜

距離6km×28周回=168km
出走156人、完走50人
4時間51分26秒
11位

雨時々晴れ時々曇り、風は時々強く吹いたり

今回のレースレポートは、将来群馬CSCで大事な試合のある人が参考にできるように書いておきたいと思います。



レースレポート


スタート時間は11:00の予定だったが、女子の表彰の関係で11:15スタート。
去年と同様、クラス1に前でスタートする権限はない。なので、スタートラインに並ぶ前に「クラス1でーす」と言いながら前に行く必要がある。インカレはちゃんと別れているのだけど。

パレードは3.5km。が、かなりペースは速く、体感で400w以上出すこともチラホラ。レースだからもっと出てたかも。こんなところでマッチを消耗していたらやっていられないので、位置を下げながら足の節約、なんてことをしていたらいつのまにかスタートしていた。

自分は一度も試走していなかったので、序盤はとにかくコーナリングやら危険箇所やらを確認しながら走った。感覚的には1周目がとてつもなく長かった…。

1人でコース確認をしている間に10名程度の逃げ発生。低くはあるが、逃げ切りもあり得なくはないコース。もちろん脚を休ませながらだが、逃げとのタイム差には常に気を遣い、集団の雰囲気にも注意。

逃げとの差は1分程度で推移するも、徐々に開いていく。
そのあと今回20名以上エントリーしていた日大中心でペースアップ。1分程度まで差は縮まる。

ラスト8周回のラップを見た時には逃げは吸収されていて、次の逃げが発生。

日大の武山選手を中心にペースアップが図られ、断続的なアタック合戦。1分半を切るくらいまで逃げとの差を詰める。

しかし、逃げに2名送り込んだ日大がラスト2周回から引かなくなり逃げ切り確定。集団は最後にゴールスプリント。



雑感など


今回の宿は前田屋というところ。部屋にお手洗いが付いていたり水回りがピッカピカだったりご飯が美味しかったり。とても良いお宿でした。マジで晩御飯とか何品あったか分からんよね。15品くらい?朝ごはんもたくさん。宿からの風景は綺麗だし。露天風呂あるし。知らぬ間にお布団が敷いてあったり無くなっていたり。アメージング!!宿取ってくれた向井田はありがとうございました。



今回の個人ロードアップ表は以下。

9:15ゼッケン貼りなど
9:45けんしゃ
9:50準備
10:00エンデュランス
10:10ランプ、エンデュランスFTP
10:204×1分高回転
10:25エンデュランス
10:30VO2Max
10:35イージー
10:40準備
10:50移動
11:00スタート


それから中田コーチが教えてくださった群馬CSC攻略法は以下。いつか後輩の役に立てば幸いである。

(1)コースの特徴
試走に行った方は分かると思いますが、群馬は平坦もないですが、きつく長い上りもない比較的平均速度の速いコースです。
最後の登り以外はアウターでいけますし、ペースが速ければ全部アウターで行く場合もあります。

特に前半の集団が大きい時は、集団の勢いで登りもある程度流れで登れます。
距離の長いレースの場合は前半のラップタイムと後半のラップが大きく異なるコースでもあります。レース前半は勢いで登っていたのが後半はペースが落ちてインナーを使うことが多くなるからです。
前半は集団のスピードについていけない選手は一気に切れますが、後半は登りの度に足に来てどこでたまらず離れてしまう感じです。

(2)逃げ
幅員がそれほど広くないしカーブも多いので、逃げは早い段階でも10人以上行ってしまうと決まる可能性があります。ただ前半から少人数で逃げ切ることは殆ど無いです。

後半は一人で逃げ切ることも、少人数の逃げも、ゴールスプリントになることもすべて可能性は等しくあるコースです。

(3)落車・トラブル
落車が多い場所はS/F地点を過ぎてから下り始めて下りきった右コーナーの後。
コーナーそのものよりもコーナーの後。前に上がりたい選手と足がキツイ選手が交差して転ぶことが多いです。
それ以外はそれほど落車の多いコースではありません。不注意で詰まって転ぶ選手がいるぐらいです。

圧倒的に多いトラブルはチェーン落ち。
トルクをかけつつアウターxローからインナーに落とす登り口でよく落とします。

アウターで押し切るか、無理と判断したら早目にインナーに落としてチェーンラインを守ったほうが良いです。
FDの調整をしっかりしておくことも重要です。いまさらですがFDは消耗品です。羽根が削れてくるとチェーンが落ちやすくなるのである程度摩耗したら交換しましょう。

(4)戦術
前半は一番大きな集団にいることです。距離が長いですから10人以上の大きな逃げにだけ注意してあとは無駄な動きはしないこと。中盤は補給に注意すること。ペースが速いと補給が取れなかったり、補給地点で落車が起こってとれないことがあるからです。また標高が高く気温が低いことがあるので思いの外エネルギーを消耗してしまうことがあります。
後半はどこの大学も人数が減るし段々とペースが落ちるので逃げは決まりやすくなります。後半は30km程度を残していたとしても2−3人でも行ってしまう時は行ってしまうので、強い選手が動く時は要注意です。

ゴールスプリントになりそうな時は最後の登りは先頭付近で登る必要はないです。
バックストレートを過ぎて最後の左コーナーで詰まるので、10番以内に居れば大丈夫。
ゴールスプリントはどんぶり(下りから登りになる地形)なのでちょっと早駆け気味でも残れる場合が多いです。もちろんタイミングは完璧でないと勝てないですが、着を狙うなら駆け出した人にとにかくついておけば全員に差されることはないです。

(5)装備
先述のように標高が高く寒い場所なのでウエアはしっかりと持っていった方が良いです。アップクリームや天気が悪くなりそうならワセリンを塗るのも良いです。
また天気がよく変わる場所でもあるので、股擦れ防止のシャーミークリームも必要な選手はしっかりと塗りましょう。



今回のレース、最大の目標はもちろんツール・ド・北海道の出場権を得ること。チームとしては、大学順位で負けている明治、京産、日体の3校には何が何でも負けてはならない。
チーム方針としては、自分が優勝狙い、向井田と辰巳で完走しつつ上記3校に勝つこと。
新谷は逃げに入るのがミッション。木田は完走を狙いつつ、3名のサポート。最低限として3名は完走者が必要なので、落車や不調などがあった時には完走してもらうつもりだった。
松山は、頑張ってね、といった感じ。


レースでは序盤に10名以上の逃げができた。中田コーチのアドバイスから多少は焦ったが、冷静に集団内のメンバーを見て逃げ切りはほぼないと考えた。
そういえば何処ぞの誰かに「逃げ切りありますかね?」とか聞かれたけど、自分もそういうことを聞かれるようになったのか〜としみじみ。誰か分からんから素っ気なく答えたけど。

序盤は自分も自分の走りだけで精一杯だったし、辰巳にはレース中に話したが、正直不調に感じていたので、あまりチームメイトに話す余裕なし。時々逃げのメンバーやらを辰巳と話していたくらいか。他のメンバーに関しては誰がどこにいるか把握できていなかった。

最初の10名以上の逃げの吸収が見えてきたかな、と思ったあたり(ラスト18周回くらいから?)で、木田に集団の前で走るように指示。目的は逃げ吸収後のアタックに対応してもらうためだったが、木田に関しては集団後方で訳の分からない走りをした挙句勝手にいなくなるのを防ぐためでもあった。
木田が予想を上回る走りをしてくれて、集団はぼちぼち進む。結局、私の逃げ吸収タイミング予想は外れてしまって木田には申し訳なかったが、後ろから見ていてかなり良い走りでした。感動ものでしたよ。


ラスト10周くらいでアタックがかかったように記憶している。このアタックでやっとエンジン始動。その後ラスト8周回に入るあたりのホームストレート前後で決定的な逃げが発生した。
この時、逃げを吸収した時点で次にアタックがかかるのは分かっていたので、まずは近くにいた辰巳に行けるかどうかを確認。「キツイっす」との返答。
アタックが発生して逃げができかけたところで左に向井田がいたので行けるかどうかを聞いたら「はぁ」という曖昧な返事。あとから聞いた話では、「行ける?」と聞いたところが「生きてる?」に聞こえたらしい。というか、そもそもレース展開が分かっていなかったらしい。まあ、分からないものは仕方ないよね。
で、ここで自分で動かなかったのが最大の後悔。最大の後悔ではあるが、日大も中央も集団にエースを残したあの場面で自分が行くべきだったというのは結果論。日大はエースを集団に残したまま逃げの方でワンツーを決めた訳だし、正直言ってチーム力の差だな。

まあ、逃げたものは仕方ないので、あとは確実にある追走の動きで追いつくかどうかの話。
ラスト3か4か忘れたが、その辺で武山選手がドガーンと上げて意志のある6名くらい付いてきたので絶対決めてやると思って全力でローテを回した。が、逃げまで1分15秒まで詰めたラスト2周回の看板あたりで、日大の監督が逃げに追いつかないように抑えろとの指示。そりゃ、逃げ4名のうち2名が日大だから逃げ切りでとった方がいいよね。これで追走の動きが完全に止まってジ・エンド。後ろのタダ乗り勢も再ジョイン。かなり全力で踏んでいたので、止まった時にはつい文句が口から出てしまった。

ほとんどクリテに出場したことがないので最後のゴールスプリント前の緊張感は新鮮だったが、それまで散々踏んでいたので全く伸びず。対して、散々ペースアップを図ってなお伸びていった武山選手はさすがだなと。逃げにメンバーを送り込んで脚を溜めていた京産の2人にも負けたし。インカレ優勝にはもう一段階強くなる必要があるみたい。


今回のレースでは初めてチームメイトを「使った」。使ったという表現はかなり嫌だけど、あえてそう書いておく。そもそもチーム内で1つの目標を共有して臨んだのが初めてだったのか。
序盤の木田にしても、ボトルを渡してくれた辰巳にしても。そうそう、今回は1度も補給をとらなかった。ジェルは元々搭載していたし、辰巳にもらったのと持っていたのとを合わせて丁度ボトル3本でゴールした。今回の補給地点はスピードが出ていて危険だったし、実際デッカい落車もあったし。

実際人を使うと色々分かったことがある。たぶん世間一般には普通のことだけど、実感したこと。
まずはレース全体や展開を見ている必要がある。その点で予想を外してしまった木田には申し訳なかった。
それから、大袈裟だが、人の犠牲の上に立つ気分。プロでもそうだろうか。いや、おそらく監督から指示されてそれでお金をもらっているのは違う。学生にとっては全国大会でのその人の順位は重要な意味を持つ訳で、それを踏み台にして自分が順位を狙う意味。
でも、ここで申し訳ないとか考えるのは失礼なんだろうと思う。結果を出すことだけが唯一やるべきこと。
そりゃこんな状況なら最後の最後まで踏み切らないといけない。


今回のレースで北海道への道は途切れた。ゴール後にはこみ上げてくるものもあったわけで。
正直言って、北海道に出るためには厚い選手層が必要で、それは大学から競技を始めた集団には非常に厳しい。それに自転車に乗るために京都大学に来ている人なんて1人もいないはずで、それを高校から結果を出して推薦で入った私立勢と競うわけで。
しかし、だからこそそこに価値があるはずだ。世間一般的には、京都大学国公立大学1位ってのは価値があるのだろう。いや、我々としてもそこは誇ってよいはずだ。
けれど、その上を目指していただけにそれには満足できない訳で、これからもこの程度で満足してほしくないと思う。うーん、最近どうも老人くさい発想が多くなりつつあるな…。


この個人ロードでひとまず中田コーチのご指導はひと段落。
あえてここでは個人的な話だけさせていただくと、私はこの3ヵ月は非常に有益だった。これまでの練習といえば、心拍数と峠のタイムだけで強度を決め、大したフィードバックも得られず、具体的な目標もないまま練習していた。まあ、それでもインカレロード 4位くらいは取れたわけですが笑。
それが、コーチングがついてからはパワーメーターで色んな情報を得て、具体的な目標に向かっての練習になった。メニューに関して、時にはマジか⁉︎みたいなキツイメニューもあったが、着実に強くなっていた。それから気になることもすぐに答えて下さるし。
あと、別に悪口とかじゃないけど、いわゆる京都大学の伝統的な練習、峠で千切り合う、にも個人的に限界を感じていた。うん、練習でも厚い選手層は必要だね。

インカレロード に向けてコーチングが続いくかは今のところなんとも言えないが、とにかくこの3ヵ月間ありがとうございました。


弾丸で現地入りしてくれたサポートのみなさん、お忙しい中現地まで来てくださったOBの方々、ありがとうございました。私はしばらく休養をとって、全日本に向けて調整していきます。今シーズンの大きなレースは全日本とインカレくらいですが、またよろしくお願いします。
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集合写真。仲よさげ。
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お宿。大変素晴らしいところでした。レースとか関係なく普通に行きたい。
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