シンカラ物語 まとめ

シンカラ 9th stage - 京都大学自転車競技部練習日誌
ツール・ド・シンカラ 2017のお話。
基本的にどこかに書いた気がする。

 *レース関連
・コミッセールは神様
・LO、ドライバーはレースのルールを全く知らないと思っていい。運転を頼むなら、先にある程度伝えた方がいいことはたくさん。
・移動中も含め、同じ道を結構通るから、先にどんな感じか見ることができる。プログラムのコース断面とはかなり印象が違う。スマトラ島は細かいカーブもアップダウンも多かった。まあ知ったところで仕掛けるわけでもないし、これから味わう地獄を先に見るだけなんだけど。後、路面はそこまで悪くはない。たまに陥没してたり、平地ゴール前のカーブでも砂がたくさんあったりはするけど。
・補給地点はあてにしない方がいい。急に消えた。し、観客がかなりいたからスタッフの安全の確保ができるかなんて分からない。
・チームカーからの補給に関して、第3、5ステージに補足あり。
・初めは分からないこともたくさんあったけれど、とりあえずやってみて、怒られてからやめればいいと思う。
・みんな優しいから、聞けばなんでも教えてくれる。タイコンチネンタルの監督は、ここは集団のスピード上がるはずだよ、とかをレース前に教えてくれたりもした。
レース前の空気入れの貸し借りも普通にあった。
・ボトルは捨てさせない。みんな学生だったこともあって、背中に入れるか、必ず車まで持って帰ってきてもらった。

・サインスタート(パレードスタート1時間前)よりちょっと早めにスタート地点に着けばいい。
・サインはチームみんなで同時に行った方がいい。簡単なチーム紹介があった。
・スタート地点には5分前に並べばよい。出し物を全部見る必要はない。
・チームカーの番号シールはスタート地点で貼ってもらえた。無線チェックとともに、車に乗っているだけで勝手にしてもらえる。
・リザルト(紙)はゴール地点でもらえる。いつもLOが取りに行ってくれた。
・リザルト(データ)は監督にメールで毎日送られてくる。メールアドレスは、ライセンスコントロールのときに申請したもの。このアドレスにリザルトとか連絡送るよ?って確認してくれた。
・同じUCIのアジアツアーでも、熊野とシンカラでいろいろ違ったので、レースごと、国ごとで異なる点がかなりあると思う。


*したこと
・スケジュールの調整。これがメイン。
・チームカーからのサポート。運転を頼むなら打ち合わせ必須。
・広報用の写真。撮っては日本に送って、SNS等に使ってもらっていた。
・雑用。ボトル洗浄、洗濯、連絡、確認など。


*移動
・ドライバー2人と、連絡係のLO1人が各チームにいる。
・下道(しかない)は、平均時速40kmで移動できる。移動距離は行程表(ネットより事前に印刷)に書いてあるので、時間はそこから計算。LOを通して、集合時間だけをドライバーに伝えれば後は連れて行ってもらえる。
・とは言いつつも、離合できない道や舗装されていない道路で必要以上に時間がかかったり、緊急車両にあおられてやたら早く着いたりもする。救急車は道を譲る対象ではなくて、競う対象。それでも無理やり抜かされた後は、救急車の後に臨時の高速道路ができるので、アタックに反応するようについていく。でもだいたい救急車のすぐ後ろは、スピードの出るコミッセールカーが抑えている。コバンザメみたい。
・荒い運転に慣れるまでは移動中に眠れないかも。

・宿のチェックイン時にパスポートがいるので、宿を変わるときはすぐに出せる位置に入れておく方がいい。
・パスポートに関連して。行きも帰りも飛行機の便を複数回確認をされるので、自分だけでなく、選手の分もe-チケットの控えを印刷しておけばよかった。
・ホテルの前がロータリーになっている場合、朝の積み込み時に雨が降っていたら渋滞が起こるから、ちょっと早くに出た方がいいかも。

・チームに与えられる車は2台。(なぜか到着の次の日から揃った)
チームカーはトヨタAVANZA(5MT)。
東南アジアに行ったことがあるなら絶対に見たことあるあの車です。日本で言うなら、ウィッシュのちょっと小さいサイズになるのかな。(乗ったことないから勘で言ってます)
チームバスは、前から3+3+4+4人+.ハイエースより少し大きい荷物ゾーン。
移動日の4列目はスーツケース置き場になるから、行くメンバーは8人までに抑えた方が余裕を持って乗れそう。(ちなみに、最大で選手6人、スタッフ4人までは大会に面倒を見てもらえる。)もっと人数も多くて、人間のサイズも大きいチームの車内が気になる。

・道の途中に休憩スポットはたくさんあるから、トイレに行きたくなれば割とすぐに行ける。お金はいらない。ただし、説明はしないけどあのタイプなので潔癖のひとは無理かも。基本裸足です、基本ね。でも誰も見てません。明言は避けます。
・レース中にトイレに行きたくなったら? 
たまに、集団の9割がトイレ休憩をするときがあるらしい。スタッフでも、レース中に車を停めて休憩しているチームは多々あった。インドネシアの法律は知らないけれど、他の国では通用しない気が…
・移動と関係ないけど、トイレの場所が知りたくて地元の人に聞くときは “Where is the restroom?” とか丁寧に言うより、「トイレ!トイレ!」って言った方が通じる。
・たまに渋滞で止まっていると、物売りだったり、ギターを持ったお兄さんがバスに乗り込んでくることがある。だいたいカヴが追い出してくれた。
自転車を積んでいるトランクは鍵をかけていたので大丈夫。

・レース前に飛行機に乗る際、ジャージ、メット、靴は預けずに持ち込み荷物の中へ。ロスがあってもレースに出られるように。


*食事
・出される食事は、白米、パン以外は食べない方がいい。後は各自持ち込んだものを。
・朝晩は基本的に宿で出る。お昼はスタート地点、ゴール地点の両方でお弁当がある上に、ゴール地点に昼食会場がある。宿や昼食会場のご飯は、基本最低1つ(全5品)は食べられるものがある。お弁当は得体の知れないものの率が高い。入っているパンもべとべとな菓子パンが多い。
・食事会場以外で支給される飲み物は水が基本。たまーに、ゴール地点にグアバジュースが置いてあったりする。
水は到着翌日から第9ステージまで毎日、500ml×24本×2箱もらえる。走る選手が少ないこともあったけれど、体にかける用の水をわざわざ用意しなくても、十分足りた。
氷はレース日のみの支給。基本的にスタート地点で、たまに宿で、20kgほどもらえる。
水と氷の場所はLOが知っている。今回はいつもどこからともなく、ドライバーが運んで来てくれた。
・レース前後に炭酸が飲みたいときは、露店やスーパーから事前に買っておく必要がある。LOやドライバーがお小遣いから買ってくれたりもする。また、買う時に彼らに頼むと値切ってくれたりもする。日本人だけでも、劇的にぼったくられることはなかった。


*持ち物
○食べ物
・ご飯の味を飽きさせないものが必要。
ふりかけ、レトルトを持ってきた人が多かった。部屋にポットがあるなら、カップスープとかも便利。レースだからと割り切って、ホテルのスタッフの前でも堂々と持ってきたものを食べていた。誰も注意してこない。
・タンパク質、ビタミンが得られるものが必要。
サプリとか、プロテインとか。自分はシンガポールで売ってるジャーキーみたいなもの(説明できない)を持って行った。後はプロテインバー、野菜ジュースなど。日本はレトルトの種類が多くていいなぁ。
二宮がしていた、ツナ缶に醤油をスプレーして食べるのは、なかなかよさそうだった。
・昼食になるもの
自分はカロリーメイトを15箱くらい持って行った。
これは支給されるか分からかったからだけど、結果的にお弁当は口に合わなかったからよかった。
・おやつなど
移動中におなかがすいたり、第8ステージの朝みたいに食べるものがないときのために、何かあるとよい。フルグラが多かった。
そして、途中から消化器官が弱っていたから、自分用にも簡単に食べられるゼリー系のものがあればよかった。
☆白米ばかりの生活は後半の方がきついと思って、前半は持ってきたものを節約していたけれど、実際は後半の方が同じ味に慣れてくるので、前半から使えばよかった。

○お金
基本的にパダンの空港に着いてからは全くいらない。おやつ、バナナ、炭酸飲料、氷を買うときくらい。最終日にちょっと外で食べるにしても、1人3000円もいらないと思う。他チームみたいに、毎日外を飲み歩くなら別だけど…
田舎に行くので、カードが使えないところも多い。チップはいらない。

○服装
・男子はそこまで気を遣わなくていいと思います。チームプレゼンテーションのように、下に座って素手で食べるときは長ズボンの方がいい(あくまでも推奨)、っていうくらいかな。
・当たり前だけど、チームプレゼンテーションのときは上の服を統一している方が写真映えする。そして、人ごみの中でも見つけやすい。そして、スニーカーで大丈夫。
・さて、女子は。個人的な意見では、半袖、半ズボン以上の長さを推奨します。これより短い人も片手で数えられるくらいはいたけれど、周りがどう思っているかは知らない。何より日本人っていうだけで見られるのに、それ以上の視線は気持ち悪い。ただ、別にスキニーパンツでも大丈夫。LOもそうだった。
にしても、スマトラはやっぱりほとんどムスリムでした。
上着。建物よりもバスの中が寒い。

○あれば便利
・日焼け止めの炎症を防ぐやつ。なんで忘れてたんやろ。
・WhatsAppをインストールしておくといいかも。
・簡単なお土産。扇子とか。
そういえばオバマは、あげた扇子をすぐに観客の女の子にあげてたっけ。
・ぱきってしたら冷えるやつ。
・水着。泳げるよ。お腹壊しても知らんけど。
・ジャージは2つ以上あるといいなぁ〜。ドライヤーがあるとも限らないし、最後の方はジャージの交換会が行われた。選手がたくさんいたら大変だったと思う。
・酔い止め。
・医療用のフィルムロール。
落車後、手当はしてもらえるけど消毒、黄色いのとガーゼしかない(ゴール地点)。ドクターカーは知らない。
あ、レース外でも体調崩したりしたらドクターカーに行けって言われてました。
・WJICFマグネット。
・水のいらないシャンプー、ファブリーズ、そこらへん。
Wi-Fi。ないとどうにもならない。今回は選手が日本から2台持ってきて、それぞれの車に1台ずつ積んでいた。


*宿

こんな表を作ったところで言うことはほぼないけれど、聞いていたよりもかなり環境はよかった。どの宿も部屋の隅々まで屋根と壁がちゃんとあって、コーヒーなどのアメニティは置いてあった。
宿名は最後以外アゴダにも載っていないので省略。連泊できるのは嬉しい。
きれいさはあくまで主観です。
お湯は、シャワーからお湯が出るかどうかということ。
ドライヤーはWi-Fiと同じ。もちろんWi-Fiは高速とは限らない。


*英語
最低限は話せる方がいい。特にドライバーに運転を頼むなら。彼らは全く話せないと思った方がいい。自分も全然話せるわけではないけれど。
後はまあ聞いて分かる程度であればそこまで問題はない気がする。伝えたい気持ちさえあれば。


*雑感
○全体
楽しかった。楽しすぎた。メンバーがよすぎた。毎日笑いながら過ごせたのも、半数以上がほぼ初対面なのにすぐに仲良くしてくれたみんなのおかげ。他のチームの皆さんもすごく優しい。
でも帰国後が忙しかったりで、フィードバックが少なすぎた。解消されていない疑問が多いのは反省。
それでも、今までツールを見るためにテレビの前で過ごしてきた時間は無駄ではなかったし、プロチームのレースレポートを英語だけれども気にせず読んでいたのも大いに役立った。

いつものレースのときは自分の自転車は自分で整備、代輪等も準備してねっていう派だったけれど、ステージレースでは無理ですね〜。
そして、ステージレースだと寝不足も続くわけで、サポート陣もちゃんと寝ないといけないと思った。
あと、補給食が全然足りなかった。

レースの経験値よりも、人生の経験値が上がった気がする。
なんにせよ、自分で勝手に設定した目標の「選手を無事に日本に返す」が達成できたからよし。

○監督をやってよかった?
はい。レース中に選手をサポートできるのはほぼチームカーのみ。もしとりあえず誰かを連れて行かないと、ってなったらバスの方がいいかもしれない。
そして、学年が上というのもあったけれど、いろいろチームのみんなにお願いしやすかった気がする。
女子で監督?って言われるのが嫌すぎて初めは憂鬱だったけれど、実際現地に行くと他のLOからもCool!と言ってもらえたりした。でもまあ、チームカーの運転を代わるときもそうだったけれど、「女の子が車の運転するの?危ないよ〜」って言われたり、監督が男性だったらと思わないことはない。でも物工女子程度に心臓に毛が生えていれば大丈夫。

○女子でもインドネシアのレースに行ける?
はい。変なところに行かない限り、特に問題はないと思います。
実際、自分以外に女性は運営側に数人、チーム関係者では1人いた。LOは7割ほどが女性。

○しんどかったのは?
第4ステージの日の胃が痛かったとき。脚を一歩踏み出すのが苦痛だった。
同じご飯が続いて辛いことに関しては、後半になるにつれて慣れてくる。今では笑い話。
後は、レース後半に移動日が多いのも大変だったけれど、これも慣れてきて無の境地だった。
ちなみに帰国後もかなり忙しかったりする。これは人による。

○日本人チームの人気がすごいのは本当?
はい、それはもう。サインと写真撮影を一生分しました。
応援ありがとうございます!

○このレポートを卒論にできますか?
そんなことはないはずです。


最後になりましたが、様々な形でこの大会、またこの大会に出場するにあたって関わっていただいた皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。おかげで、貴重な経験をすることができました。
完走した久保田くんを始め、DNFになった後も素晴らしいサポートになったチームメイトの栗田、吉岡、にのさん、フミさん、川嶋くんには特に感謝。そして、頑張って、お疲れさまとメッセージを送ってくれた人がたくさんいたおかげで、かなり勇気づけられました。遠征中に届いたものは特に嬉しかったです。

いつかこの駄文が誰かの役に立てば幸甚です。




えっ?第1ステージに戻りたいって??
http://d.hatena.ne.jp/kucrt/touch/20180101/1514768991