Tour de Hokkaido 2019 ~物事には原因と結果がある~

1st stage 旭川市新得町 185km

 

Results DNF ※補給地点で落車

 

今日は大会史上最難関とも噂される山岳ステージ。鬼門は57km地点のKOM1と間髪入れずにやってくる70km地点KOM2十勝岳。ここを何とか集団で越えれば完走が見えてくるかなといった感じ。本日の体調はここ2週間で最も良かった。UCIレースは昨年のツールド熊野に続いて2回目の挑戦。あの時は丸山千枚田などカテゴリー山岳を3つ含む2nd stageを最終グルペットで完走した。その経験から今日も完走するための具体的なイメージを持っていた。

 

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頑張りまーす

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ミーハーなんでパシャリ

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曰く付きの松山のMag-on

長いレースとなるのでアップは10分弱その辺をフラフラしただけ。スタート地点に並んだのは安定の2分前。最後尾スタートだったが学連とは違って殺気立つ様子はないゆったりとしたローリング。気づいたら先頭付近にいて、そのままアクチュアルスタート。直ぐにアタック合戦が始まる。初めの20kmはド平坦だが流石UCIレース、スピードが全く違う。常に50km/hほどで走り、もちろん一列棒状。コーナーのインターバルも強烈。人の後ろについていても320~50wが平気で出る。デカい人を探しているとマトリックスマンセボ選手がいたのでつかせてもらう。この人平地なのに平気でアウタートップを踏んでる。一人だけケイデンスが違った。なるべくポジションを落とさないように頑張っていると結構集団前方にこれたので調子乗ってアタックに反応してみたりする。まあ決まらんけど。

 

そんなこんなで逃げも決まり集団が落ち着いたのも束の間、名もなき丘がやってくる。先頭でペースアップが始まる。360wで踏んでもズルズルと後退していく。プロ強すぎ…。やっぱり体調がよくないのか踏ん張れない。ここで千切れると確実に完走できないが、オールアウトしてはいけないので限界ギリギリを攻めつつメイン集団最後尾から5mほど離されて下りに入る。これがまた踏まないといけない下りで単独の自分は圧倒的に不利。あれよあれよと集団は離れていってしまう。同じく宙ぶらりんになっている2人に追いつき全力でローテを回してなんとか集団復帰。その後千切れた選手たちが続々と追いついてくる。あ、やっちまったー。

よくよく考えれば学連レースと違い後ろにチームカーの隊列があるわけで、無理して必死こいてついていく必要はなかった。それこそチームカー隊列の最後尾にさえ残れれば集団復帰は可能だったわけで。頭では分かっていても実際に全力で踏んでいる状況では冷静な判断が下せなかった。この時から焦りが出ていた。

 

直後に再度現れた2つの丘は比較的平和なペースでクリアしいよいよKOM1の上りに突入する。最初からハイペースで登坂する。耐え切れない人間が次々と遅れていく。このペースは無理…。マトリックスのアイランフェルナンデス選手や愛三の岡本選手など周りに完走できそうなコンチネンタルチームの選手がいるのを確認して自分も千切れる。向井田さんや岡本さんと一緒に15人ほどのグルペットKOM1をクリア。その後の下りは全力でローテを回す。KOM2十勝岳の上り口手前でチームカーの隊列に追いつき無事メイン集団に復帰する。が、再度アタックがかかり完全に千切れる。学連メンバー+シマノ横山選手・マトリックスアイラン選手のグルペットでペースを刻んで登る。途中で京大のチームカーがやってきてボトルを補給。ボトルを1本受け取る。本日2度目の失敗。この後メイン集団への復帰は厳しいのだからボトル2本と追加のジェルなど補給食をたっぷり受け取っておけばよかった。上りの途中だったので身体を軽くしておいた方がええんちゃうか、という邪念がよぎってしまった。この選択が一生の後悔につながる。

 

なんとか皆で山頂をクリアし下りに入る。噂には聞いていたが流石北海道のダウンヒル、スケールがデカすぎる。この日の最高時速88km/hを記録。横山選手の下りが上手すぎて追随しようとしたら森にダイブしかけた。あそこでもし飛び込んでいたら崖下一直線で命も危なかった。

 

この下りで集団は7名に減った。しばらく先頭320wほどでローテを回していると後ろから20名ほどの集団がやってくる。頑張った意味ないやんけ~。その中に新谷もいて驚いた。これは1st stage 全員完走いけるんちゃうかと思った。

 

そしてやってきたフィードゾーン。補給を受け取るかかなり迷った。しかしまだ残り距離が90kmあり、尚且つボトル1本しか搭載していなかったことで不安になってしまった。迷っていると岩見の姿が見えた。これは同期パワーを貰わなあかんと思って手を伸ばす。気づいたら宙を舞ってた。

 

転けた直後はアドレナリンが出ていたので直ぐに再出走したかったが、後輪がパンクしており、またその場にスペアのホイールも無かったのでやむなくリタイア。

ツール・ド・北海道が終わった。

 

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やってしもた~ってのが正直な感想。サコッシュバッグなんて受け取ったことがなかったし、受け取ったときのスピードは50km/h弱はあったと思う。重さで完全に身体が持っていかれた。少なくとも一度は京都で練習しておくべきだった。それが叶わなかったのなら本番でやるべきではなかった。サコッシュの中身はボトル1本とジェル3個。これくらいであればボトルにテープで貼り付けるいつものやり方で問題なかった。やはり初めての舞台で慣れないことをやるべきではない。これは今後の人生の教訓にもなるように思う。

また焦りと不安から冷静な判断が出来なかったのも今回の落車に繋がったと感じた。自分のチームカーから受け取れなくても他チームにお願いして受け取ることも可能だったはずだがそんなこと考えつきもしなかった。変なところで真面目なのが裏目に出てしまった。もっと利己的かつクレバーになることが今後の課題だと感じた。

またインカレでの落車が原因で今回出場が叶わなかった同期の松山の分も完走しないとと思い彼の遺物であるMag-onを補給地点直前で摂取したのが良くなかったのかも笑 フラグ回収ってやつ。

 

今回のレースを場面ごとに切り取っていくとそれぞれに必ず何らかの判断ミスがあり、それらが落車という結果に集約された。今までのレースではそれでもなんとかなっていたのかもしれないが、ツールド北海道というビッグレースでは誤魔化しが効かなかったということだろう。一生の不覚やわほんまに。

 

レース後は高折先生に非常にお世話になりました。即座に近隣病院とコンタクトを取ってくださり迅速に治療を受けることができました。病院まで迎えに来てくださった中田コーチと岩見も本当にありがとうございました。

 

9/7 2nd stage サポート

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もうちょっとマシなポーズ無いんですか笑

 

9/8 3rd stage サポート

 

両日ともにゴール地点へ先回りしゴールした選手の迅速な回復のお手伝い。

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お疲れ様でした!

 

 

今回のレースで選手、サポートの両方を体験し多くの言葉を学んだ。他の人も言及していたが朝レース会場に行くとピッカピカに整備された自分のバイクが当然のように準備されている。気づいたらBCAA入りのボトルがセットされている。補給地点にもサポートがいて、ゴールした後も飲食物を準備してくれる人がいる。選手が結果を残すためにサポート陣が夜遅くまで身を粉にして働いてくれている。これを当たり前のことと思ってはいけない。プロチームは専属のメカニックや監督が存在し、彼らはそれを生業としている。しかし我々は言うなれば完全なボランティアだ。それ故に今回サポートしてくださった方々にはより一層の感謝をしなければならない。

 

改めましてサポート陣の皆さん、中田コーチ、高折先生、山本さん、本当にありがとうございました。

 

そして今回ツールド北海道出場にあたり様々な方々からご支援を賜りました。ご寄付くださったOBOGをはじめとする皆さま、ポディウム様、デマルキ様、ナーリーバイクス様その他大勢の方々からご支援いただきました。本当にありがとうございました。

 

来年もあの舞台に帰ってこられるよう頑張ろう。現状果てしなく遠い道のりだがチャレンジする価値は十分にあると思う。

 

4回生の先輩方、お疲れ様でした。

 

はー楽しかった!

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ヘルメットは絶対被りましょう。約束やで?